「礼文浜」の版間の差分

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|よみ        = れぶんはま
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|名称        = 礼文浜
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|画像説明    = 礼文方(西側)坑口
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'''礼文浜トンネル'''は室蘭本線礼文駅 - 大岸駅間にある複線の鉄道トンネルである。
'''礼文浜トンネル'''は室蘭本線礼文駅 - 大岸駅間にある複線の鉄道トンネルである。


== 崩落事故 ==
== 崩落事故 ==
=== 発生 ===
=== 発生 ===
1999(平成11)年11月28日2:35頃、本トンネル内を走行していた貨物列車(名古屋貨物ターミナル駅発札幌貨物ターミナル行)がトンネル内でコンクリート塊に衝突し脱線、およそ180m進んで停止した。運転士に怪我はなかった。コンクリート塊は礼文方坑口から239m地点のクラウンに近いアーチ部の覆工が剥離し落下したもので重さ約2tであった。当時JRグループのトンネルではコンクリートの剥落事故が相次ぎ(福岡トンネル、北九州トンネルなど多数)この中で最大の塊であった。これらの事故を受け直前の11月17-19日に目視点検を行ったばかりで、放射状の亀裂を見つけていたが打音検査や補修は行われていなかった。事故のおよそ2時間前に別の貨物列車が通過したが異常は見られなかった。剥落はこの列車の通過後に起きたとみられる。剥離跡は円錐形で直径2.5-3.0m、厚さ最大45cm。本トンネルの覆工厚は45cmであるので地山が露出したことになる。
1999(平成11)年11月28日2:35頃、本トンネル内を走行していた貨物列車(名古屋貨物ターミナル駅発札幌貨物ターミナル駅行)がトンネル内でコンクリート塊に衝突し脱線、およそ180m進んで停止した。運転士に怪我はなかった。コンクリート塊は礼文方坑口から239m地点のクラウンに近いアーチ部の覆工が剥離し落下したもので重さ約2tであった。当時JRグループのトンネルではコンクリートの剥落事故が相次ぎ(福岡トンネル、北九州トンネルなど多数)この中で最大の塊であった。これらの事故を受け直前の11月17-19日に目視点検を行ったばかりで、放射状の亀裂を見つけていたが打音検査や補修は行われていなかった。事故のおよそ2時間前に別の貨物列車が通過したが異常は見られなかった。剥落はこの列車の通過後に起きたとみられる。剥離跡は円錐形で直径2.5-3.0m、厚さ最大45cm。本トンネルの覆工厚は45cmであるので地山が露出したことになる。
=== 原因と対策工 ===
=== 原因と対策工 ===
JR北海道は当日4:00対策本部を立ち上げ点検調査を行った。支保工、セントルによる補強、地盤強化材の注入を行い復旧工事を行った。剥離部の周囲に小型カメラを潜らせ調査したところ覆工背面空洞が確認された。覆工コンクリートの打設後、比較的早い段階で地山が緩んで背面に空隙が生じ、そこにあった岩塊が覆工に局部的な圧力をかけた結果押し抜き剪断が起き、振動や凍害でヒビが広がり最後には自重によって落下したと推定された。本トンネルは建設時に地山斜面の不安定化のため工事を中断し、開通後に軌道隆起が起きインバートの新設・ロックボルトによる補強を行っているが、この崩落事故の原因とはメカニズムが異なり、同じトンネル内でも地山が起こす変状は様々であることを見せ付けた。
JR北海道は当日4:00対策本部を立ち上げ点検調査を行った。支保工、セントルによる補強、地盤強化材の注入を行い復旧工事を行った。剥離部の周囲に小型カメラを潜らせ調査したところ覆工背面空洞が確認された。覆工コンクリートの打設後、比較的早い段階で地山が緩んで背面に空隙が生じ、そこにあった岩塊が覆工に局部的な圧力をかけた結果押し抜き剪断が起き、振動や凍害でヒビが広がり最後には自重によって落下したと推定された。本トンネルは建設時に地山斜面の不安定化のため工事を中断し、開通後に軌道隆起が起きインバートの新設・ロックボルトによる補強を行っているが、この崩落事故の原因とはメカニズムが異なり、同じトンネル内でも地山が起こす変状は様々であることを見せ付けた。
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2022年4月14日 (木) 18:52時点における版

れぶんはま
礼文浜

北海道 トンネルwiki ID:636585

礼文方(西側)坑口
礼文方(西側)坑口

基礎情報
振興局
Temp map iburi subpref.png 胆振
総合振興局
起点
住所 虻田郡豊浦町字礼文華
座標 42.576103,140.601810
終点
住所 虻田郡豊浦町字礼文華
座標 42.579606,140.615634
図名
20万 5万 2.5万
室蘭 豊浦 礼文華
用途 鉄道
路線名 室蘭本線
竣工 1975(昭和50)年
現況 現役
延長 1,232m

Temp cross section rail-double.png
軌道数=複線
電化/非電化
=非電化
軌間=1,067mm
覆工 Co

礼文浜トンネルは室蘭本線礼文駅 - 大岸駅間にある複線の鉄道トンネルである。

崩落事故

発生

1999(平成11)年11月28日2:35頃、本トンネル内を走行していた貨物列車(名古屋貨物ターミナル駅発札幌貨物ターミナル駅行)がトンネル内でコンクリート塊に衝突し脱線、およそ180m進んで停止した。運転士に怪我はなかった。コンクリート塊は礼文方坑口から239m地点のクラウンに近いアーチ部の覆工が剥離し落下したもので重さ約2tであった。当時JRグループのトンネルではコンクリートの剥落事故が相次ぎ(福岡トンネル、北九州トンネルなど多数)この中で最大の塊であった。これらの事故を受け直前の11月17-19日に目視点検を行ったばかりで、放射状の亀裂を見つけていたが打音検査や補修は行われていなかった。事故のおよそ2時間前に別の貨物列車が通過したが異常は見られなかった。剥落はこの列車の通過後に起きたとみられる。剥離跡は円錐形で直径2.5-3.0m、厚さ最大45cm。本トンネルの覆工厚は45cmであるので地山が露出したことになる。

原因と対策工

JR北海道は当日4:00対策本部を立ち上げ点検調査を行った。支保工、セントルによる補強、地盤強化材の注入を行い復旧工事を行った。剥離部の周囲に小型カメラを潜らせ調査したところ覆工背面空洞が確認された。覆工コンクリートの打設後、比較的早い段階で地山が緩んで背面に空隙が生じ、そこにあった岩塊が覆工に局部的な圧力をかけた結果押し抜き剪断が起き、振動や凍害でヒビが広がり最後には自重によって落下したと推定された。本トンネルは建設時に地山斜面の不安定化のため工事を中断し、開通後に軌道隆起が起きインバートの新設・ロックボルトによる補強を行っているが、この崩落事故の原因とはメカニズムが異なり、同じトンネル内でも地山が起こす変状は様々であることを見せ付けた。

事故の影響

事故の発生によりトンネルは不通となり、室蘭本線は当日だけで51本が運休、約8,500人に影響が出た。室蘭本線は長万部駅 - 洞爺駅間をすべての列車を運休とし、旅客輸送はバスによる代行輸送で、貨物輸送は25往復を2往復まで大幅に減便し小樽経由にすることで対応した。対策工を終え12月4日19:20過ぎ建築限界測定車が上り線を通過、同20:00頃に下り線を通過し異常がないことを確認し、直後にトンネルはおよそ7日ぶりに開通した。運休した列車は344本、約48,000人に影響が出た。翌2000(平成12)年には事故の風化を防ぐため坑口近傍に「トンネルの安全を誓う碑」が建立された。