野花南

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野花南トンネルは国道38号、芦別市 - 富良野市間の滝里ダム付近にあるトンネル。

富良野市から芦別市方面に流れ下る空知川に国道が並走する区間にあり、盆地間の狭窄部で川が蛇行しトンネルが必要とされた。

初めての道路開削は1903(明治36)年から翌年にかけてであった。当時の道程は川にほぼ完全に沿ったもので、最短のルートとは程遠く、野花南から滝里間には4か所の橋が、富良野から滝里間には1か所の渡船場があった。

1代目

のかなん
野花南

 
芦別方坑口

基礎情報
振興局 空知総合振興局
図名
20万 5万 2.5万
旭川 富良野 野花南
用途 道路
路線名 地方費道3号札幌根室線(-1957)
1級国道38号(1952-1965)
一般国道38号(1965-)
竣工 1938(昭和13)年12月10日
現況 廃止
Co塗固
延長 105.00m
覆工 Co
舗装 未舗装


1913(大正2)年10月、のちの国道と重なるルートで里道の建設が決まり、これは1932(昭和7)年になり着工された。途中難工事のための中断をはさみ1938(昭和13)年に竣工し道路は車道化した。河川を蛇行させる尾根に本トンネルが掘られている。

2代目

のかなん
野花南

 
芦別方坑口

基礎情報
振興局 空知総合振興局
図名
20万 5万 2.5万
旭川 富良野 野花南
用途 道路
路線名 一般国道38号
施工者 飛鳥建設
竣工 1965(昭和40)年3月
現況 廃止
Co塗固
延長 680m
覆工 Co T=50cm
舗装 As T=23cm
照明 ナトリウム×90
換気 自然
排水 サイドドレーン
等級 C
非常用
設備
消火器


国道の改良及び舗装工事のため2代目のトンネルが計画された。事業は1958(昭和33)年から開始されたが地滑りや台風といった自然災害に見舞われ道路の完成が急がれた。1965(昭和40)年、滝川から富良野間の事業区間が完成した。

3代目のトンネルが開通し滝里ダムが完成した後は、中央からやや富良野方に近い坑内が20mにわたって閉塞された。

3代目

のかなん
野花南

 
芦別方坑口

基礎情報
振興局 空知総合振興局
図名
20万 5万 2.5万
旭川 富良野 野花南
用途 道路
路線名 一般国道38号
施工者 伊藤・飛鳥・三井特定建設工事共同企業体
竣工 1995(平成7)年3月
現況 現役
延長 1,055.00m
掘削
工法
NATM
ショートベンチ
ミニベンチ
覆工 Co
舗装 Co
照明 ナトリウム×285
換気 自然
等級 B
非常用
設備
有り


ぽんもしり
奔茂尻

 
芦別方坑口

基礎情報
振興局 空知総合振興局
図名
20万 5万 2.5万
旭川 富良野 野花南
用途 道路
路線名 一般国道38号
施工者 大林・鉄建特定建設工事共同企業体
竣工 1995(平成7)年10月
現況 現役
延長 547.00m
掘削
工法
NATM
ショートベンチ
覆工 Co
舗装 As
照明 ナトリウム×299
換気 自然
等級 C
非常用
設備
有り


トンネルの富良野方にある滝里の小盆地が滝里ダムの建設により滝里湖の底に沈むこととなり、その補償でトンネルは3代目へと代替わりすることとなった。約16.2kmの新道中に野花南及び奔茂尻の2トンネルが建設され2代目野花南トンネルは廃止された。同様に並行する根室本線では滝里及び島ノ下の2トンネルが建設され湯ノ下トンネルが廃止された。また奔茂尻発電所も廃止され導水トンネルも閉塞された。

3代目の2トンネルの照明は実験的にカウンタービーム照明方式がいち早く取り入れられた。