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'''蘭法華トンネル'''は登別市の蘭法華岬(富浦岬)に所在するトンネル。道路トンネル1本、鉄道トンネル3本(現用1本、廃止2本)の合計4本が存在する。「蘭法華」の読みは道路トンネルが「らん<U>ぽ</U> | '''蘭法華トンネル'''は登別市の蘭法華岬(富浦岬)に所在するトンネル。道路トンネル1本、鉄道トンネル3本(現用1本、廃止2本)の合計4本が存在する。「蘭法華」の読みは道路トンネルが「らん<U>ぽ</U>っけ」(『北海道の道路トンネル』)「らん<U>ほ</U>っけ」(『道路現況調書』)、鉄道トンネルが「らん<U>ぼ</U>っけ」である。アイヌ語の「ran pok ke」(訳:坂の下の所)の音訳であるが、アイヌ語では「p」と「b」の音は特に区別しないのでどちらが間違いというわけではない。なお国土地理院の提供する電子国土によると岬の名前は「らんぼっけ」と読むのが正しい。 | ||
== 道路 == | == 道路 == | ||
{{基礎情報 | {{基礎情報 | ||
|よみ | |よみ = らんほっけ | ||
|名称 | |名称 = 蘭法華 | ||
|画像 | |TID = 292002 | ||
|画像説明 | |画像 = 20230308120902DSC_0057.jpg | ||
|振興局 | |画像説明 = 登別方(東側)坑口 | ||
| | |地図 = | ||
|用途 | |振興局 = {{胆振}} | ||
|路線名 | |起点住所 = 登別市富浦町二丁目 | ||
|管理者 | |起点北緯 = 42.441935 | ||
|施工者 | |起点東経 = 141.165481 | ||
|工事費 | |終点住所 = 登別市富浦町二丁目 | ||
|着工 | |終点北緯 = 42.441812 | ||
|竣工 | |終点東経 = 141.164001 | ||
|開通 | |20万図名 = 苫小牧 | ||
|閉鎖 | |5万図名 = 登別温泉 | ||
|現況 | |2.5万図名 = 登別温泉 | ||
| | |用途 = 道路 | ||
|総幅員 | |路線名 = {{大正国道28号}}(-1952)<br>{{1級国道36号}}(1952-1965)<br>{{一般国道36号}}(1965-1972)<br>{{登別市道蘭法華通り線}}(1972-1995)<br>{{北海道道701号登別港線}}(1995-) | ||
| | |管理者 = 室蘭建設管理部登別出張所 | ||
| | |施工者 = 伊藤・菱中・泰進特定建設工事共同企業体(改修工事) | ||
|掘削工法 | |設計者 = 北海道土木設計(改修工事) | ||
|覆工 | |工事費 = 4万3603.5円(新設工事) | ||
|舗装 | |着工 = 1931(昭和6)年5月15日(新設工事) | ||
|照明 | |竣工 = 1932(昭和7)年3月19日(新設工事)<BR>2022(令和4)年11月(改修工事) | ||
| | |開通 = 2022(令和4)年11月29日11:00(改修工事後) | ||
| | |閉鎖 = 2019(平成31)年1月25日14:50(改修工事前) | ||
|現況 = {{現役}} | |||
|延長 = 115.50m(建設当初)<BR>117.0m(ルーバー坑口時代)<BR>131m(改修工事後) | |||
|内空断面画像 = 道路 | |||
|内空断面画像2= | |||
|総幅員 = | |||
|車道幅員 = 6.5m | |||
|中央高 = | |||
|有効高 = 4.7m | |||
|建築限界高 = | |||
|電化/非電化 = | |||
|軌道数 = | |||
|軌間 = | |||
|起点坑門型式 = 面壁 | |||
|終点坑門型式 = 面壁 | |||
|掘削工法 = | |||
|覆工 = Co | |||
|舗装 = Co | |||
|照明 = LED | |||
|換気 = 自然 | |||
|排水 = サイドドレーン | |||
|トンネル等級 = {{等級D}} | |||
|非常用設備 = 無し | |||
|注釈 = | |||
}} | }} | ||
このトンネルは元々大正国道28号(現在の一般国道36号)のトンネルとして建設された。当時既に鉄道の蘭法華トンネルが存在し、これの海側に並行して建設された。1972(昭和47)年国道が新道に切り替えられ市道に降格、しかし国道の抜け道として交通量が増えたことから1995(平成7)年に道道に昇格した。後に富浦方坑口に覆道が付け足されたが、2003(平成15年)年9月26日に発生した十勝沖地震で一部が損傷し危険なことから撤去された。鉄板は素手で剥がせ、覆道はわずか約2時間で撤去が完了するほど腐食が進んでいた。2019(平成31)年1月に行われた点検では、塩害によるコンクリートの剥離等老朽化が著しく安全を確保できないことから25日14:50より通行止めの措置がとられた。2020(令和2)年夏に改修を開始し、2022(令和4)年11月29日11:00に通行止めが解除され新トンネルが開通となった。 | |||
<BR clear="all"> | <BR clear="all"> | ||
== 鉄道(1代目) == | == 鉄道(1代目) == | ||
{{基礎情報 | {{基礎情報 | ||
|よみ | |よみ = らんぼっけ | ||
|名称 | |名称 = 蘭法華 | ||
|画像 | |TID = 416015 | ||
|画像説明 | |画像 = 20150509172030DSC_1807.JPG | ||
|振興局 | |画像説明 = 登別方(東側)坑口 | ||
| | |地図 = | ||
|用途 | |振興局 = {{胆振}} | ||
|路線名 | |起点住所 = 登別市富浦町二丁目 | ||
|管理者 | |起点北緯 = 42.442333 | ||
|施工者 | |起点東経 = 141.162571 | ||
|工事費 | |終点住所 = 登別市登別港町二丁目 | ||
|着工 | |終点北緯 = 42.442545 | ||
|竣工 | |終点東経 = 141.165792 | ||
|開通 | |20万図名 = 苫小牧 | ||
|閉鎖 | |5万図名 = 登別温泉 | ||
|現況 | |2.5万図名 = 登別温泉 | ||
| | |用途 = 鉄道 | ||
|総幅員 | |路線名 = {{室蘭線}}(-1909)<br>{{室蘭本線}}(1909-) | ||
| | |管理者 = | ||
| | |施工者 = | ||
|掘削工法 | |設計者 = | ||
|覆工 | |工事費 = | ||
|舗装 | |着工 = 1890(明治23)年11月6日 | ||
|照明 | |竣工 = 1891(明治24)年1月20日 | ||
| | |開通 = 1892(明治25)年8月1日 | ||
| | |閉鎖 = | ||
|現況 = {{廃止}}・金網による閉鎖 | |||
|延長 = 223m | |||
|内空断面画像 = 単線非電化 | |||
|内空断面画像2= | |||
|総幅員 = | |||
|車道幅員 = | |||
|中央高 = | |||
|有効高 = | |||
|建築限界高 = | |||
|電化/非電化 = 非電化 | |||
|軌道数 = 単線 | |||
|軌間 = 1,067mm | |||
|起点坑門型式 = 面壁(レンガ4重巻) | |||
|終点坑門型式 = 面壁(レンガ4重巻) | |||
|掘削工法 = | |||
|覆工 = レンガ | |||
|舗装 = | |||
|照明 = | |||
|換気 = | |||
|排水 = | |||
|トンネル等級 = | |||
|非常用設備 = | |||
|注釈 = | |||
}} | }} | ||
北海道では炭鉱と港を結ぶ鉄道として空知から小樽に至る線があったが、天然の良港である室蘭港が開発されここへ至る北海道炭礦鉄道室蘭線(現在の室蘭本線)が建設された。開通したのは1892(明治25)年8月1日。 | |||
建設時のデータとして『隧道新書 実地応用』には次のように記録されている。 | 建設時のデータとして『隧道新書 実地応用』には次のように記録されている。 | ||
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== 鉄道(2代目) == | == 鉄道(2代目) == | ||
{{基礎情報 | {{基礎情報 | ||
|よみ | |よみ = らんぼっけ | ||
|名称 | |名称 = 蘭法華 | ||
|画像 | |TID = 842505 | ||
|画像説明 | |画像 = 20150509172102DSC_1808.JPG | ||
|振興局 | |画像説明 = 登別方(東側)坑口 | ||
| | |地図 = | ||
|用途 | |振興局 = {{胆振}} | ||
|路線名 | |起点住所 = 登別市富浦町二丁目 | ||
|管理者 | |起点北緯 = 42.442402 | ||
|施工者 | |起点東経 = 141.162536 | ||
|工事費 | |終点住所 = 登別市登別港町二丁目 | ||
|着工 | |終点北緯 = 42.442678 | ||
|竣工 | |終点東経 = 141.165717 | ||
|開通 | |20万図名 = 苫小牧 | ||
|閉鎖 | |5万図名 = 登別温泉 | ||
|現況 | |2.5万図名 = 登別温泉 | ||
| | |用途 = 鉄道 | ||
|総幅員 | |路線名 = {{室蘭本線}} | ||
| | |管理者 = | ||
| | |施工者 = | ||
|掘削工法 | |設計者 = | ||
|覆工 | |工事費 = | ||
|舗装 | |着工 = | ||
|照明 | |竣工 = | ||
| | |開通 = 1926(大正15)年7月10日 | ||
| | |閉鎖 = | ||
|現況 = {{廃止}}・金網による閉鎖 | |||
|延長 = 235m | |||
|内空断面画像 = 単線非電化 | |||
|内空断面画像2= | |||
|総幅員 = | |||
|車道幅員 = | |||
|中央高 = | |||
|有効高 = | |||
|建築限界高 = | |||
|電化/非電化 = 非電化 | |||
|軌道数 = 単線 | |||
|軌間 = 1,067mm | |||
|起点坑門型式 = 面壁 | |||
|終点坑門型式 = 面壁 | |||
|掘削工法 = | |||
|覆工 = Coブロック | |||
|舗装 = | |||
|照明 = | |||
|換気 = | |||
|排水 = | |||
|トンネル等級 = | |||
|非常用設備 = | |||
|注釈 = | |||
}} | }} | ||
開通当初の北海道炭礦鉄道室蘭線(現在の室蘭本線)は単線であったが運炭量が増加し早々に複線化することとなった。1代目は単線トンネルであったため山側に隣接して2代目が穿たれ、1代目を上り線、2代目を下り線として使うこととなった。 | |||
<BR clear="all"> | <BR clear="all"> | ||
== 鉄道(3代目) == | == 鉄道(3代目) == | ||
{{基礎情報 | {{基礎情報 | ||
|よみ | |よみ = | ||
|名称 | |名称 = 蘭法華 | ||
|画像 | |TID = 498692 | ||
|画像説明 | |画像 = 20150509171606DSC_1802.jpg | ||
|振興局 | |画像説明 = 登別方(東側)坑口 | ||
| | |地図 = | ||
|用途 | |振興局 = {{胆振}} | ||
|路線名 | |起点住所 = 登別市富浦町二丁目 | ||
|管理者 | |起点北緯 = 42.442493 | ||
|施工者 | |起点東経 = 141.162499 | ||
|工事費 | |終点住所 = 登別市登別港町二丁目 | ||
|着工 | |終点北緯 = 42.443130 | ||
|竣工 | |終点東経 = 141.166307 | ||
|開通 | |20万図名 = 苫小牧 | ||
|閉鎖 | |5万図名 = 登別温泉 | ||
|現況 | |2.5万図名 = 登別温泉 | ||
| | |用途 = 鉄道 | ||
|総幅員 | |路線名 = {{室蘭本線}} | ||
| | |管理者 = | ||
| | |施工者 = | ||
|掘削工法 | |設計者 = | ||
|覆工 | |工事費 = 13億円 | ||
|舗装 | |着工 = 1978(昭和53)年3月 | ||
|照明 | |竣工 = | ||
| | |開通 = 1980(昭和55)年6月23日 | ||
| | |閉鎖 = | ||
|現況 = {{現役}} | |||
|延長 = 322m | |||
|内空断面画像 = 複線電化 | |||
|内空断面画像2= | |||
|総幅員 = | |||
|車道幅員 = | |||
|中央高 = | |||
|有効高 = | |||
|建築限界高 = | |||
|電化/非電化 = 電化 | |||
|軌道数 = 複線 | |||
|軌間 = 1,067mm | |||
|起点坑門型式 = 面壁 | |||
|終点坑門型式 = 面壁 | |||
|掘削工法 = {{NATM}} | |||
|覆工 = Co | |||
|舗装 = | |||
|照明 = 蛍光灯 | |||
|換気 = | |||
|排水 = | |||
|トンネル等級 = | |||
|非常用設備 = | |||
|注釈 = | |||
}} | }} | ||
蘭法華トンネルは室蘭本線の電化にあわせ新たに複線のトンネルを掘りなおすこととなった。NATM工法での掘削は北海道初であったとされる。1979(昭和54)年7月17日に貫通し翌年6月23日に供用を開始した。これにより1代目・2代目は廃止された。 | |||
<BR clear="all"> | |||
== ギャラリー == | |||
<gallery widths=100px heights=100px> | |||
20150509172944DSC_1825.jpg|2015(平成27)年の道路(TID292002)登別方(東側)坑口。接続していたルーバーが取り払われ坑口がコンクリートで補強された。坑内にはナトリウム灯が4灯設置されている。 | |||
20150509173108DSC_1828.jpg|2015(平成27)年の道路(TID292002)富浦方(西側)坑口。反対の坑口と同様である。 | |||
20190829141920DSC 0165.JPG|道路(TID292002)は2019(平成31)年の通行止め措置後は両坑口がブルーシートで閉鎖された。国道の抜け道としてよく使われていたことから、国道にはトンネルの通行止めを示す標識も設置された。 | |||
20230308120504DSC_0050.jpg|道路(TID292002)坑口前には富浦停留所があり、トンネルは路線バスの運行経路である。通行止め開始当初バスはこの停留所をとばして運行し、3月18日からはここで転回し国道を迂回して運行をした。 | |||
20230308120606DSC_0051.jpg|道路(TID292002)富浦方(西側)坑口 | |||
20230308120648DSC_0053.jpg|道路(TID292002)工事銘板 | |||
20230308120720DSC_0055.jpg|道路(TID292002)坑内 | |||
20150509171920DSC_1805.jpg|鉄道1代目(TID416015)・2代目(TID842505)の登別方(東側)坑口は少し離れると見えにくくなる | |||
20150509172114DSC_1809.jpg|鉄道1代目(TID416015・左)・2代目(TID842505・右)の登別方(東側)坑口 | |||
20150509173224DSC_1830.jpg|鉄道1代目(TID416015・右)・2代目(TID842505・左)の富浦方(西側)坑口。コンクリートの落石覆いは後年付け足されたものである。左奥には現在線の3代目(TID498692)が見える。 | |||
20150509172320DSC_1816.jpg|鉄道1代目(TID416015)坑内 | |||
20150509172154DSC_1810.jpg|鉄道2代目(TID842505)坑内 | |||
20150509172222DSC_1812.jpg|鉄道1代目(TID416015)に残されたペイント | |||
20150509173440DSC_1835.jpg|鉄道2代目(TID842505)に残されたペイント | |||
20150509171600DSC_1801.jpg|鉄道3代目(TID498692)を走行する列車 | |||
20150509173326DSC_1833.jpg|鉄道3代目(TID498692)富浦方(西側)坑口 | |||
20150509173320DSC_1831.JPG|鉄道3代目(TID498692)富浦方(西側)坑口。右に旧トンネル2本と道路トンネルが見える。 | |||
20150509173322DSC_1832.jpg|鉄道1代目(TID416015・右)・2代目(TID842505・中)・3代目(TID498692)の富浦方(西側)坑口は並んで開口している | |||
</gallery> | |||
{{デフォルトソート:らんほつけ}} | {{デフォルトソート:らんほつけ}} | ||
[[カテゴリ:1000m未満のトンネル|322]] | [[カテゴリ:1000m未満のトンネル|322]] | ||
[[カテゴリ:1892年開通]] | [[カテゴリ:1892年開通]] | ||
[[カテゴリ:1926年開通]] | [[カテゴリ:1926年開通]] | ||
[[カテゴリ:1980年開通]] | [[カテゴリ:1980年開通]] | ||
[[カテゴリ:1980年廃止]] | [[カテゴリ:1980年廃止]] | ||
[[カテゴリ:2022年開通]] |
2023年4月4日 (火) 18:42時点における最新版
蘭法華トンネルは登別市の蘭法華岬(富浦岬)に所在するトンネル。道路トンネル1本、鉄道トンネル3本(現用1本、廃止2本)の合計4本が存在する。「蘭法華」の読みは道路トンネルが「らんぽっけ」(『北海道の道路トンネル』)「らんほっけ」(『道路現況調書』)、鉄道トンネルが「らんぼっけ」である。アイヌ語の「ran pok ke」(訳:坂の下の所)の音訳であるが、アイヌ語では「p」と「b」の音は特に区別しないのでどちらが間違いというわけではない。なお国土地理院の提供する電子国土によると岬の名前は「らんぼっけ」と読むのが正しい。
道路
らんほっけ
蘭法華
北海道 トンネルwiki ID:292002 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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このトンネルは元々大正国道28号(現在の一般国道36号)のトンネルとして建設された。当時既に鉄道の蘭法華トンネルが存在し、これの海側に並行して建設された。1972(昭和47)年国道が新道に切り替えられ市道に降格、しかし国道の抜け道として交通量が増えたことから1995(平成7)年に道道に昇格した。後に富浦方坑口に覆道が付け足されたが、2003(平成15年)年9月26日に発生した十勝沖地震で一部が損傷し危険なことから撤去された。鉄板は素手で剥がせ、覆道はわずか約2時間で撤去が完了するほど腐食が進んでいた。2019(平成31)年1月に行われた点検では、塩害によるコンクリートの剥離等老朽化が著しく安全を確保できないことから25日14:50より通行止めの措置がとられた。2020(令和2)年夏に改修を開始し、2022(令和4)年11月29日11:00に通行止めが解除され新トンネルが開通となった。
鉄道(1代目)
らんぼっけ
蘭法華
北海道 トンネルwiki ID:416015 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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北海道では炭鉱と港を結ぶ鉄道として空知から小樽に至る線があったが、天然の良港である室蘭港が開発されここへ至る北海道炭礦鉄道室蘭線(現在の室蘭本線)が建設された。開通したのは1892(明治25)年8月1日。
建設時のデータとして『隧道新書 実地応用』には次のように記録されている。
掘鑿個所 | 坑夫 | 平夫 | 木工 | 手傳 | 小計 |
---|---|---|---|---|---|
導坑 | 四七七.五〇人 | 四二二.〇〇 | 三六一.二五 | 一二二.〇〇 | |
第一切擴 | 七〇二.七五 | 五一六.七五 | 七一三.五〇 | 二一六.二五 | |
第二切擴 | 二九三.二五 | 四二三.〇〇 | 三〇二.二五 | 八二.二五 | |
第三切擴 | 六四一.五〇 | 七二八.五〇 | 二.二五 | 二四.〇〇 | |
合計 | 二,一一五.〇〇 | 二,〇九〇.二五 | 一,三七九.二五 | 四二四.五〇 | |
木材 | 三,九六〇本 | ||||
矢板 | 一,二〇〇 | ||||
鎹 | 四,二〇〇 |
工種 | 拱環 | 側壁 | 坑門 | 小計 | 記事 |
---|---|---|---|---|---|
煉瓦職 | 八九二.二五 | 七四四.〇〇 | 一四〇.二五 | 一,七七六.五〇 | |
同手傳 | 二,四六五.五〇 | 一,四八〇.〇〇 | 二四五.五〇 | 四,一九一.〇〇 | |
斧指 | 一五四.〇〇 | ― | ― | 一五四.〇〇 | |
同手傳 | 一二三.〇〇 | ― | ― | 一二三.〇〇 | |
大工 | 一七九.二五 | 一三一.五〇 | 一五.〇〇 | 三二五.七五 | |
同手傳 | 三九九.七五 | 一一〇.五〇 | 二七.五〇 | 五三七.二五 | |
石工 | ― | 二八七.〇〇 | 二八.〇〇 | 三一五.〇〇 | |
同手傳 | ― | 二五六.五〇 | 三六.〇〇 | 二九二.五〇 | |
合計 | |||||
拱架 | 四〇組 | ||||
煉瓦 | 九〇四,七八二枚 | ||||
膠灰 | 七〇四樽 | ||||
石灰 | 二五七同 | ||||
砂 | 六〇立坪 | ||||
側壁基礎用石 | 二,九二四立呎 | ||||
坑門用石 | 九一同 | ||||
坑門基礎混凝土用栗石 | 一.五立坪 |
隧道名 | 地質 | 延長 | 起工年月 | 貫通年月 | 一個月間掘進長 |
---|---|---|---|---|---|
蘭法華 | 土石 | 七三〇 | 二三・一一 | 二四・一 | 二九二 |
隧道名 | 延長 | 導坑 | 第一切擴 | 第二切擴 | 第三切擴 | 第四切擴 |
---|---|---|---|---|---|---|
蘭法華 | 七三〇 | 二九二 | 三七八 | 八七六 | 二八一 | ― |
隧道名 | 延長 | 拱環巻 | 側壁積 | 仰拱巻 | 完成年月 |
---|---|---|---|---|---|
蘭法華 | 七三〇 | 三〇九 | 二四一 | 二四・一二 |
隧道名 | 東南坑門 | 西北坑門 | 合日數 | 一個所平均 | 記事 |
---|---|---|---|---|---|
蘭法華 | 二九 | 二九 | 五八 | 二九 |
隧道名 | 地質 | 延長 | 起工年月 | 竣工年月 | 月數 | 毎一月竣工長 |
---|---|---|---|---|---|---|
蘭法華 | 土石 | 七三〇 | 二三・一一 | 二四・一二 | 一四 | 五二 |
鉄道(2代目)
らんぼっけ
蘭法華
北海道 トンネルwiki ID:842505 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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開通当初の北海道炭礦鉄道室蘭線(現在の室蘭本線)は単線であったが運炭量が増加し早々に複線化することとなった。1代目は単線トンネルであったため山側に隣接して2代目が穿たれ、1代目を上り線、2代目を下り線として使うこととなった。
鉄道(3代目)
蘭法華
北海道 トンネルwiki ID:498692 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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蘭法華トンネルは室蘭本線の電化にあわせ新たに複線のトンネルを掘りなおすこととなった。NATM工法での掘削は北海道初であったとされる。1979(昭和54)年7月17日に貫通し翌年6月23日に供用を開始した。これにより1代目・2代目は廃止された。